再生宝石(アップサイクルジュエリー)事業を行う株式会社貴瞬(本社:東京都台東区、代表取締役 辻瞬、以下当社)は、東京藝術大学生の中村暖氏が制作した『Decompose Diamond』~植物から生まれた、朽ちていくダイヤモンド~に、当社の中古ダイヤモンドとプラチナを素材提供しました。作品は、2024年1月28日(日)〜2月2日(金)に開催された第72回東京藝術大学卒業・終了作品展で展示されました。
●中村氏の作品の協賛に至った背景
中村氏が作品制作への協力を当社に依頼いただいたきっかけは、当社の『マグマの熱が宝石を生み出すならば、人間の熱からは、宝石以上の価値を生み出せる。私たちは、その可能性を誰よりも信じています。』というブランドストーリーに賛同いただいたことでした。当社も、中村氏の作品制作にかける想いや、サステナブルな社会実現に向けた取り組みに深く共感したことで、素材提供に至りました。
●植物から生まれた、朽ちていくダイヤモンドについて
今回の作品は、地球上でもっとも硬い素材であり、不滅かつ永遠とされるダイヤモンドと、経年変化し木のように朽ち果てていく、プラスチックでも樹脂でもない新素材を掛け合わせたデザインとなっています。プラスチックでも樹脂でもない新素材は、植物から生まれており、本物のダイヤモンドに負けないほど輝いていました。その素材を使って制作した作品は、世の中のラグジュエリーの概念を覆すような、革新的な作品となっています。
【作品について、中村氏からコメント】
「世界初の新素材のため、一番輝くカットを見つける、さらには美しくする為の硬度を上げる圧力調整といった、技術と技術の掛け算、掛け算のレイヤーをどう設計していくのかが、とにかく苦労しました。苦労したというと、関わってくださる方に語弊を生んでしまうかもしれませんが、沢山の方と一緒に作り上げ乗り越え、助けていただきました。天然ダイヤとのコラボについて、自分はあくまで何かメッセージを伝える時や、何かを主張したり肯定したりする時に、その裏側を否定したくありません。だからこそ今回のように、共存して美しいものを作り上げたかったに尽きます。そして、天然ダイヤがあるからこそ、モノとしての強さ・美しさを兼ね備えた作品となっています。」
●今後の当社との関わりについて、中村氏より
今回の作品の最初の着想は、王族王室しかオーダーすることのできないジュエリーの5点セットである「パリュール」の作成でした。文明発達、文化繁栄と共に権威や王位継承を表す役割もあったジュエリー、そしてその最高峰のジュエリーセットパリュール。これらを、3〜5年以内に作りあげたいです。
世界では、価値間や宗教が違う中、地球環境が悪化してはいけないというのは共通項である。そこに介入する価値がデザインにはあり、ラグジュアリーの再定義と地球環境のグリーンデザインの可能性の未来があると考えています。
今回のダイヤモンド作品を通じて、植物性の繊維物質から生まれたダイヤモンドが朽ち、土に還り、その土で植物が育ち、植物がダイヤモンドに生まれ変わるといった循環が生まれるかもしれない。多くのプロフェッショナルと一緒に磨き上げたダイヤモンド作品でラグジュエリーの再定義に一緒に挑戦していきたいです。
●今回の取り組みについて当社代表の辻より
今回、真のサステナビリティジュエリーを共に創りあげることができ、まさに理念である「本当の価値をあなたに」を形にしたようなジュエリーとなっていました。暖さんのお人柄や才能、そして熱が沢山の人を惹きつけ、宝石以上の価値を生み出すことができたのではと思います。